7-3転職と知識・学び直し|教育訓練給付と職業訓練の使い方
章を通して読む 第7章の節(全4節):7-1 要点・知識の棚卸し / 7-2 教育訓練給付 / 7-3 学び直しが、転職に生きない場合 / 7-4 相談先・記録・チェックリスト
学び直しが、転職に生きない場合
学び直しは、転職に役立つこともありますが、思ったように生きない場合もあります。
- 実務経験を問われる:求人の必須条件が「実務経験○年」だと、資格や講座の修了だけでは書類が通らないことがあります。特に、経験のない職種へ移るときに起きやすい、と言われます。
- ミスマッチ:学んだ分野の求人が少ない、地域にない、想定した年収に届かない、といった行き違い。
- お金と時間の無駄:有料の講座・スクールに費用と時間をかけたが、就職に結びつかなかった、という例があります。
架空の例:45歳の会社員が、未経験のIT職を目指して有料のスクールに数十万円と半年を使った。修了後に応募したが、求人の多くが実務経験を必須としていて、書類で落ち続けた。スクールの「就職支援」は、紹介できる求人の範囲が限られていた。(実在の人の体験談ではなく、起こりうる筋書きです。)
避けるためには、学ぶ前に、志望する求人を5〜10件見て、必須条件に「実務経験」があるか、学んだ内容で応募できるかを確かめます。スクールの宣伝にある就職実績は、算出の条件(対象者・期間・就職の定義)を聞きます。契約の解約や返金で困ったときは、契約書を確認し、消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談できます。
ハローワークの職業訓練で起こりがちなこと
公共職業訓練(ハロートレーニング)は、離職者向けの訓練が中心で、学費の負担が小さい利点があります。一方で、次のような点が言われます。
- 時間がかかる:訓練の期間は数か月に及ぶことが多く、その間、就職活動が止まりがちになる。
- 修了しても実務経験は問われる:修了だけでは求人の必須条件を満たさない場合がある。
- 選考・定員:希望の講座に入れないことがある。
- 離職後に受ける制度が中心:在職中は、原則使いにくい。基本は在職中に動く方針(第1章)とは合いにくい場面がある。
訓練を受けるかは、目指す求人の条件と照らして決め、受ける場合も、修了前から求人を探し続けます。詳細は、ハローワークで相談します。
学ぶ前に確かめること
- 目指す職種の求人で、その知識・資格がどう扱われているか(必須か、歓迎か)。
- 教育訓練給付の対象講座か。受給の条件を自分が満たすか。
- 期間と費用、修了後の就職の支援の内容。
- 在職中に学ぶ場合、時間の確保と、転職活動との両立。
「学べば転職できる」と決めつけないことです。講座の宣伝は、学んだ後の就職の実績を大きく見せがちです。実績の数字は、算出の条件(対象者・期間)を確かめます。