14-1求人票の読み方と企業口コミの見方|固定残業代・試用期間・裏の取り方
章を通して読む 第14章の節(全3節):14-1 要点・求人票の点検項目 / 14-2 応募先が合併・買収・ファンド傘下のとき / 14-3 相談先・記録・チェックリスト
この章の要点
- 求人票の年収は、固定残業代が含まれているかで意味が変わります。基本給の額と、固定残業の時間数を確かめます。
- 企業の口コミは、書き込む人に偏りがあります。1つの声でなく、複数の情報源を突き合わせます。
- 求人票で分からないことは、面接や内定後に書面で確かめます。
求人票の点検項目
| 項目 | 確かめること | 気をつけたい書き方 |
|---|---|---|
| 年収 | 内訳(基本給・手当・賞与・固定残業代)と、モデル年収の前提 | 上限だけが大きく書かれている。「〜」の幅が広い |
| 固定残業代 | 基本給の額、固定残業の時間数と金額、超過分の支払い | 時間数が書かれていない。月80時間相当など極端に長い |
| 就業場所・業務 | 配属先、転勤の有無、業務の変更の範囲 | 「会社が指定する場所」のみ |
| 賞与 | 有無、支給の実績、算定期間 | 「業績による」だけ |
| 休日・残業 | 年間休日日数、平均残業時間 | 「月平均」の数字がない |
| 試用期間 | 期間、その間の給与・待遇の違い | 期間中の待遇が本採用と違う |
| 雇用形態 | 正社員か、契約社員か、無期か有期か | 「正社員登用あり」と書かれた契約社員 |
| 在宅・出社 | 週の日数、入社直後から可能か | 「在宅可」だけ |
固定残業代
固定残業代を採用する場合、募集要項や求人票に、次の3つを示すことが指針で求められています(若者雇用促進法に基づく指針。職業安定法の求人等に関する事項の明示)。
- 固定残業代を除いた基本給の額
- 固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法
- 固定残業時間を超える時間外労働・休日労働・深夜労働に対して、割増賃金を追加で支払う旨
3つのうち書かれていない求人は、面接や応募前に、企業やエージェントに確かめます。年収に見える額の中に、残業を前提とした部分が含まれる場合があるためです。
就業場所・業務の変更の範囲
2024年4月から、労働条件の明示のルールが変わり、労働契約の締結時と更新時に、就業場所と業務の変更の範囲も明示することが必要になりました(厚生労働省)。求人票では省略されていても、内定後の労働条件通知書に書かれます。転勤や職種の変更があるかを、入社前に確かめます(第18章)。
試用期間
試用期間の長さに、法律の定めはありません。会社が就業規則や労働契約で決めます。ただし、試用期間後の本採用の拒否は、解雇にあたり、客観的に合理的な理由が必要です(労働契約法)。期間、期間中の待遇、本採用の基準を、確かめます。
企業の口コミの読み方
企業の口コミ・評価サイトは、社員や元社員が書き込むものです。
- 偏り:退職した人、不満のある人が書きやすい傾向がある一方、在籍中の人は書きにくい。
- 時期:古い口コミは、今の組織と違う場合がある。書かれた年を見る。
- 部署・職種:全社の話でなく、特定の部署の話の場合がある。
- 複数の声で傾向を見る:1件の極端な声より、繰り返し出る話題を拾う。
- 事実と感想を分ける:「残業が多い」より「月の平均残業が何時間」といった事実の情報を重く見る。
公的な情報で裏を取る
厚生労働省の職場情報総合サイト(しょくばらぼ)では、企業が公表した平均勤続年数、研修の状況、育児休業の取得状況などを確認できます。掲載する項目は企業ごとに違い、載っていない企業もあります。ほかに次のものも使えます。
- 企業のサイト・有価証券報告書(上場企業。従業員の平均年齢・勤続年数・平均年間給与が載る)
- 労働局の公表情報(法令違反の公表事例など)
- 女性活躍・子育て支援などの認定の状況(企業の取り組みの手がかり)