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第10章転職エージェントの仕組み|誰がお金を払い、どう儲かるか

節ごとに読む:10-1 10-2 10-3

POINT

この章の要点

誰から誰にお金が流れるか

  1. 企業がエージェントに「こういう人がほしい」と依頼する(求人)。
  2. エージェントが求職者を紹介する。
  3. 採用が決まり、入社したとき、企業がエージェントに手数料を払う。

求職者は費用を払いません(第9章)。だからこそ、エージェントの顧客は、実質的には企業で、求職者はサービスを受ける側であるとともに、企業に紹介する「商品」でもあります。この関係を分かって使うことが、第12章の土台になります。

手数料の大きさ

厚生労働省の「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」(2026年3月31日公表)によると、2024年度の有料職業紹介の手数料収入は約9,835億円で、常用就職1件あたりの手数料は約103万円でした。

手数料は、紹介した人の年収に一定の割合をかけて決める例が多いと言われます。割合は会社・職種・契約で違います。2025年4月から、職業紹介事業者は、職種ごとの平均手数料率などの実績を、厚生労働省の人材サービス総合サイトに掲載することが義務になりました。手数料率や、紹介した人の就職後6か月以内の離職の状況、返戻金制度の有無・内容が、誰でも見られます。

返戻金

紹介した人が入社後すぐに辞めた場合、エージェントが手数料の一部を企業に返す制度(返戻金)を持つ会社があります。返戻金の条件(期間・割合)は契約で異なり、人材サービス総合サイトで、返戻金制度の有無と内容が確認できます。

返戻金があると、エージェントは、短期で辞めそうな紹介を避ける動機を持ちます。一方、企業側は、採用が決まってから一定期間内の退職に備える保険として使います。求職者に直接の関係はありませんが、「決まった後の定着」を気にしているかどうかの手がかりになります。

仕組みから読める偏り

次は、構造上、起きやすいと言われる傾向です。個々の担当者や会社の実態は、それぞれ違います。

構造 起きやすい傾向
入社が決まらないと収入がない 決まりやすい人・求人に力が入り、決まりにくいと見られると連絡が減る
手数料は年収に連動することが多い 年収の高い求人・人が優先されやすい
顧客は企業 企業の要望が優先され、求職者の希望の条件が通りにくい場面がある
担当者に数字の目標がある 承諾を急がされる、希望と違う求人を勧められる、という例が語られる
複数の求職者を同時に担当する 対応の頻度に差が出る

こうした傾向は、口コミにもよく現れます(第11章)。ただし、構造があっても、求職者の利益を考えて動く担当者は多くいます。構造を知ったうえで、担当者の言動を見ます。

求職者の側で確かめる方法

仕組みを踏まえて、相談する

エージェントには、相談してかまいません。ただし、相手の収入が「入社が決まったとき」に生じることを承知したうえで、次の姿勢で相談します。

相談先

記録

この章で記録しておくこと

CHECK

この章のチェックリスト

出典

事実の確認表

主張 出典 確認日
2024年度 有料職業紹介の手数料収入 約9,835億円、常用就職1件あたり手数料 約103万円 厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」(2026-03-31公表)https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001683019.pdf 2026-09-30
令和7年4月から、職業紹介事業者は職種ごとの手数料率等の実績を人材サービス総合サイトに掲載する義務がある(掲載内容:手数料率、就職者数、6か月以内の離職者数、返戻金制度など) 厚生労働省 リーフレット https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001622750.pdf(PDFの文字が一部読み取れず、検索結果の要約とあわせて確認。詳細は原本で確かめてください) 2026-09-30
有料職業紹介は求職者から原則手数料を取れない 石川労働局 https://jsite.mhlw.go.jp/ishikawa-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudousha_haken/syoukai_gaiyou.html 2026-09-30
手数料が年収に連動する例が多い、仕組みから偏りが起きやすい 一説・経験則。「〜と言われる」として紹介 2026-09-30
参考

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