第9章転職の探し方の全体像|エージェント・サイト・公的支援の違い
この章の要点
- 転職の入口は、エージェント・転職サイト・スカウト・ハローワーク・リファラル・派遣系の6つです。1つに絞る必要はありません。
- 違いの核は「誰がお金を払うか」と「誰が求人を持っているか」です。
- 求職者が手数料を払う入口は、原則ありません。求職者に費用を求められたら、いったん止まって確かめます。
6つの入口を並べる
| 入口 | 仕組み | 誰が費用を払うか | 向く人 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 転職エージェント(有料職業紹介) | 担当者が求人を紹介し、選考の調整をする | 採用した企業が手数料を払う | 相談しながら進めたい人、非公開求人を見たい人 | 担当者の当たり外れ。成功報酬で見立てが偏ることがある(10・11) |
| 転職サイト | 求人を自分で探して応募 | 企業が掲載料を払う | 自分のペースで幅広く見たい人 | 応募と管理は自分。比較検討の手間 |
| スカウト | 経歴を登録し、企業から連絡が来る | 企業が払う | 経歴に強みがある人、市場価値を見たい人 | 一斉送信の定型文が多い |
| ハローワーク | 公的な求人紹介と職業相談 | 無料(国の制度) | 地元で探す人、職業訓練を使う人 | 求人の質・職種に偏り。都市部と地方で差 |
| リファラル(知人の紹介) | 社員や知人が紹介 | 企業が払う(紹介制度) | 人脈がある人 | 断りにくい。知人との関係の配慮 |
| 派遣・紹介予定派遣 | 派遣会社を通じて働く/一定期間後に直接雇用を前提 | 派遣先が払う | 職種を変えたい、まず働いて見たい人 | 契約の期間・待遇・雇用の安定性は別に確かめる |
求職者からお金を取る入口は原則ない
職業安定法により、有料職業紹介事業者は、求職者から手数料を取ることが原則として認められていません(例外は、芸能家・モデルなど法令で定められた一部の職業)。石川労働局の案内も、求職者から手数料を取ることは原則としてできないと説明しています。
- 「登録料」「入会金」「面談料」を求められたら、その場で支払わず、都道府県労働局に確認します。
- 「必ず内定が取れる」「保証する」という言い方も、鵜呑みにしません。内定は企業が決めるからです。
- 転職の講座・コーチングなど、紹介事業とは別の有料サービスもあります。これは職業紹介とは別の契約で、料金・内容・解約条件を書面で確かめます。
組み合わせ方
1つの入口に絞ると、求人の偏りがそのまま自分の選択肢になります。よくある組み合わせの例です。
- エージェント2〜3社 + 転職サイト1〜2 + ハローワーク(地元の求人・訓練)
- 在職中で時間が少ない場合:エージェント中心、サイトは検索条件の保存で通知を受ける。
- 職種を変える場合:ハローワークの訓練や、紹介予定派遣も候補に入れる。
複数を使うときは、同じ求人に重ねて応募しないよう、応募の管理表で経路を記録します(第17章)。
「非公開求人」の考え方
エージェントは「非公開求人」を持つと説明します。非公開の理由は、競合に知られたくない、応募が殺到するのを避けたい、といった企業の事情です。ただし次の点に注意します。
- 非公開であることと、条件が良いことは、別の話です。
- 求人の量と質は、エージェント経由と、サイト経由で一部が重なります。同じ求人が複数の経路にあることもあります。
- 「あなただけに紹介する」という言い方は、理由を聞きます。
各入口の詳しい説明
相談先
この章で記録しておくこと
- 使う入口と、登録した日
- 各入口の担当者・連絡先・連絡頻度の希望
- 費用を求められた場合は、その内容と相手
この章のチェックリスト
- 6つの入口の違い(費用の出どころ)を理解した
- 使う入口を2つ以上決めた
- 求職者に手数料を求められたら、いったん止まると決めた
- 応募の経路を記録する管理表を用意した
- 「非公開=好条件」と決めつけないと決めた
事実の確認表
| 主張 | 出典 | 確認日 |
|---|---|---|
| 有料職業紹介事業者は、原則として求職者から手数料を取れない(例外は芸能家等の一部の職業) | 石川労働局「職業紹介事業の概要」https://jsite.mhlw.go.jp/ishikawa-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudousha_haken/syoukai_gaiyou.html | 2026-09-30 |
| 各入口の向き不向き、非公開求人の見方 | 一般的な整理(経験則)。「〜と言われる」として紹介 | 2026-09-30 |
参考にした記事
- (一般的な整理のため、特定の記事は参考にしていない。社名を挙げて優劣をつけない方針のため)