第12章転職エージェントの上手な使い方|登録から断り方・担当変更まで
この章の要点
- 上手に使うコツは、エージェントの収入の仕組み(第10章)を分かったうえで、こちらが「条件・期限・連絡の仕方」を先に決めて伝えることです。
- 2〜3社を併用し、見立てを比べ、同じ求人に重ねて応募しないよう管理します。
- 断る・担当を変える・利用をやめることは、当然の権利です。
登録から面談まで:7つの手順
儲けの仕組みを踏まえて相談する
エージェントの収入は、入社が決まったとき、企業から入ります(第10章)。この仕組みを分かったうえで、次のように相談します。
| 起きやすいこと | 相談での聞き方 |
|---|---|
| 決まりやすい求人を勧められる | 「この求人が私に合う理由と、合わない点を教えてください」 |
| 年収の高い求人が優先される | 「年収が下がっても条件に合う求人があれば、紹介してください」(譲れない線を伝える) |
| 承諾を急がされる | 「期限の理由は何ですか。延ばせますか」 |
| 企業側に有利な見立て | 「他のエージェントの見立てと比べます。根拠を教えてください」 |
| 決まりにくいと連絡が減る | 「連絡の頻度はどのくらいになりますか」(初回に確認) |
相談自体は有益です。ただし、相手の助言を、自分の判断の代わりにしないことが要点です。
面談で聞くことリスト
- 自分の経歴で、紹介できる求人の数と年収の幅、その根拠
- 似た経歴の人が、決まるまでの期間と、決まった年収の幅
- 弱みと見られる点と、その補い方
- 勧める求人を勧める理由(なぜ私に、なぜこの会社か)
- 非公開求人の場合、なぜ非公開か
- 連絡の頻度と手段、応募や結果を知らせてもらう方法
- 面接対策・書類添削の範囲
- 入社後に定着しているかの見方(会社の離職の状況、返戻金の有無)
複数社の併用
連絡の仕方を先に決める
連絡が多くて疲れるなら、最初に頻度と手段を伝えます。
お世話になっております。○○です。
連絡の方法について、次の希望をお伝えします。
・連絡は原則メール(またはチャット)でお願いします
・電話は平日の19時以降、または事前に日時を決めてください
・紹介いただく求人は、1回につき最大3件までにしてください
・応募は、私が内容を確認して許可をお伝えしてからにしてください
よろしくお願いします。
断り方
希望と違う求人、急かしには、理由を添えて断ります。曖昧にすると、似た求人が続きます。
ご紹介ありがとうございます。今回は見送ります。
理由:譲れない条件である「○○」に合わないためです。
今後は、この条件を満たす求人に絞ってご紹介ください。
内定の承諾を急かされたとき:
ご連絡ありがとうございます。家族とも相談し、条件の書面を確認したうえで、
○月○日までにお返事します。それまでお待ちいただけますでしょうか。
担当を変えたいとき
連絡が遅い、条件を聞き入れられない、話を聞いてもらえない、と感じたら、変更を依頼できます。多くの会社に問い合わせ窓口があります。
担当者の変更をお願いしたくご連絡しました。
理由:(例)希望条件と異なる求人が続き、意思疎通が難しいと感じたためです。
変更が難しい場合は、今回で利用を終了したいと考えています。
変更を頼みにくければ、別のエージェントを併用する方法もあります。
「売りにくい」と見られたとき
決まりにくいと見られると、連絡が減ったり、承諾を急がされたりする例があると言われます(第11章の型3・型6)。連絡が減っても自分の価値が否定されたわけではありません。入口を増やし(第13章)、急かされたら自分で期限を決めて伝え、承諾は書面で条件を確かめてから決めます(第18章)。
年収交渉
- 希望額と、譲れる下限を、面談の段階で伝える。
- 根拠は、成果の数字と、応募先の相場(第8章)。
- 交渉は、エージェントに任せても、自分で行ってもかまいません。任せるときは、伝える内容と上限・下限を確認します。
利用を終えるとき
転職が決まった、または利用をやめるときは、次を行います。
- 終了の意思を書面(メール)で伝える。
- 登録情報(職務経歴書など)の削除を依頼する。個人情報の削除・利用停止は、事業者に請求できる場合があります。
- 内定後に辞退するときは、応募先とエージェントの両方に、早めに連絡する。
相談先
- 都道府県労働局の需給調整事業担当(苦情・許可の確認)
- 個人情報保護委員会(個人情報の相談)
- ハローワーク
- 転職エージェント(収入の仕組みを踏まえ、条件・期限・連絡の仕方を先に伝えて相談する。この章の手順)
この章で記録しておくこと
- 面談の日時・担当者・聞いた見立て
- 紹介された求人・勧めた理由・応募の許可を出した日
- 連絡の頻度・手段を伝えた日と、その後の変化
- 断った求人と理由、担当を変えた場合はその日と理由
この章のチェックリスト
- 連絡の頻度・手段・応募の許可のルールを、初回に伝えた
- 面談で質問リストを使い、見立てを記録した
- 2〜3社を併用し、応募の管理表で重複を防いでいる
- 急かされたら、自分で期限を決めて伝えると決めた
- 担当変更・利用終了の連絡先を確認した
- 内定・終了時は、個人情報の削除を依頼する
事実の確認表
| 主張 | 出典 | 確認日 |
|---|---|---|
| 職業紹介事業者は、原則として求職者から手数料を取れない | 石川労働局 https://jsite.mhlw.go.jp/ishikawa-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudousha_haken/syoukai_gaiyou.html | 2026-09-30 |
| 人材サービス総合サイトで手数料率・離職の状況を確認できる | 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001622750.pdf | 2026-09-30 |
| 併用の目安、断り方・担当変更の実務 | 一般的な整理(経験則)。例文は一般的な文案 | 2026-09-30 |
参考にした記事
- (一般的な使い方の整理で、特定のエージェントの記事は参考にしていない)