第2章転職の目的と条件の決め方|譲れる線と譲れない線
この章の要点
- 転職の理由は「離れたいもの」と「近づきたいもの」に分けて書きます。前者だけだと、次の職場でも同じ不満が出ることがあります。
- 条件は、年収・場所・働き方・仕事内容・会社の状況の5つについて、「譲れない線」と「譲れる線」を分けて書きます。
- 全部を満たす求人はまずありません。優先順位を先に決めておくと、エージェントの提案や内定を比べやすくなります。
理由を二つに分ける
転職したい理由は、次の二つに分けると整理できます。
- 離れたいもの:給与が上がらない、残業が多い、上司との関係、会社の先行き、評価が不透明。
- 近づきたいもの:やりたい仕事、身につけたい技術、働き方(在宅・時差)、住みたい場所。
「離れたい」だけの転職は、その不満がなくなれば目的を失います。逆に「近づきたい」だけで、今の不満を見落とすと、同じ不満に転職先でまた出会うこともあります。両方を書き、それぞれに「転職以外で解決できるか」も添えます。たとえば、異動の希望を出す、上司と話す、労働時間の相談を人事にするなどです。
5つの条件を「譲れる線/譲れない線」で書く
次の表を、自分用に書き写して埋めます。
| 条件 | 譲れない線 | 譲れる線 | 今の状態 |
|---|---|---|---|
| 年収 | 例:年収○○万円以上(家計の下限) | 例:○○万円までなら、成長が見込めれば許容 | |
| 場所 | 例:通勤○分以内/転居は不可 | 例:週○日在宅なら○分まで | |
| 働き方 | 例:残業月○時間まで/土日休み | 例:繁忙期の残業は可 | |
| 仕事内容 | 例:今の経験を活かせる | 例:新しい分野でも学べる環境なら | |
| 会社 | 例:事業が安定している | 例:小さくても成長中なら |
年収の「譲れない線」は、好みではなく家計から決めます。毎月の支出、ローン、教育費の予定を足し上げて、手取りの下限を出し、そこから額面の目安を逆算します。
譲れない線は、少なく
譲れない線を5つも6つも並べると、当てはまる求人がなくなります。「これが崩れたら辞める」と言えるものだけを、多くても2〜3個に絞ります。それ以外は「譲れる線」に移して、幅を持たせます。
時間がたつと、市場の条件も変わる
自分の条件だけでなく、市場の側も変わります。たとえば在宅勤務は、コロナ禍で広がり、コロナ後もしばらく「在宅可」の求人が目立ちましたが、いまは出社を基本にする会社が増えています(第4章)。数年前の口コミや体験談の「条件」は、そのまま今の求人に当てはまるとは限りません。条件の表は、今の求人票と面接で確かめ直します。
条件は変わってよい
活動を進めるうちに、条件は変わります。市場の様子(第8章)を見て、年収の見込みが高すぎた、場所を広げたほうがよい、と分かることもあります。変えたときは、変えた理由と日付を記録します。後から「なぜ方針を変えたか」が分かるようにするためです。
家族との共有
転居や年収の増減が伴うときは、家族の生活が変わります。決める前に、条件の表を見せて話しておくと、後で揉めにくくなります。話した内容と、家族の希望(譲れない線)も記録します。
相談先
この章で記録しておくこと
- 転職の理由(離れたい/近づきたい)と、転職以外で解決できるか
- 条件の表(日付つき)と、変えたときの理由
- 家族と話した日と、出た希望
この章のチェックリスト
- 理由を「離れたい」と「近づきたい」に分けて書いた
- 転職以外で解決できないかを一度考えた
- 年収の下限を、家計から計算して決めた
- 5つの条件を「譲れる線/譲れない線」に分けた
- 譲れない線を2〜3個に絞った
- 表に日付を入れた(変えたときは理由も残す)
事実の確認表
| 主張 | 出典 | 確認日 |
|---|---|---|
| (この章は考え方の整理で、制度・数字の主張を含まない) | — | 2026-09-30 |
参考にした記事
- (一般的な整理のため、特定の記事は参考にしていない)