第3章自分の市場価値とは|場所・年齢・技術・知識の4軸
この章の要点
- 市場価値は、自分に貼られた固定の値札ではなく、「自分の条件」と「企業が今ほしい人材」の組み合わせで変わります。
- 見るのは、場所(どこで働けるか)・年齢・技術(できること)・知識(知っていること)の4つの軸です。
- 4つのうち、年齢は変えられません。場所・技術・知識は、時間をかければ動かせます。
市場価値とは何か
「市場価値」は、転職市場で自分がどれくらいの条件(主に年収)で採用されうるか、という見立てのことです。次の点に注意が要ります。
- 1つの数字で決まるものではありません。同じ人でも、応募する業界・会社の規模・地域で、提示される条件は変わります。
- 今の年収と一致するとは限りません。今の会社の給与体系は、その会社の事情(年功・業績・役職)でできているためです。
- 時期によっても変わります。企業が人を求める分野は、景気や技術の変化で入れ替わります。
4つの軸
| 軸 | 何を見るか | 変えやすさ | 詳しくは |
|---|---|---|---|
| 場所 | 働ける地域・通勤圏・在宅の可否。その地域の求人の量と賃金 | 転居や在宅可の求人で動かせる。家庭の事情による制約が大きい | 4 |
| 年齢 | 経験年数と、企業が想定する年齢層とのずれ | 変えられない。ただし、見せ方(経験の年数でなく成果)は変えられる | 5 |
| 技術 | できること:職種の専門スキル、マネジメント、資格 | 学べば動く。ただし実務での証拠が要る | 6 |
| 知識 | 知っていること:業界・顧客・制度・業務の流れ | 経験と学び直しで積み上がる | 7 |
技術と知識の違い
似ていますが、企業から見た価値が違うので分けて考えます。
- 技術は「手を動かしてできること」です。たとえば、経理の決算処理、プログラミング、営業での新規開拓、工程管理。成果物や数字で示せます。
- 知識は「知っていることで、判断や提案に活きるもの」です。たとえば、業界の商慣習、法令、顧客の事情、自社製品の周辺の技術。経験が長い人ほど蓄積があります。
若い人は技術を、経験を積んだ人は知識を、それぞれ強みにしやすいと言われます。ただし、知識だけで技術の証拠がない職務経歴書は、評価されにくい例があります。両方を、具体的な場面で書けるようにします(第15章)。
買い手の側から見る
企業が中途採用をするのは、多くの場合、特定の穴を埋めるためです。だから市場価値は「その穴に、自分がどれだけ合うか」で決まります。次の3つを考えます。
- 自分が埋められる穴は何か(どの業界・職種・規模の会社で必要とされるか)
- その穴を、他の人が埋めやすいか(同じ経歴の人が多いか、希少か)
- その穴に、企業はいくら払えるか(業界・規模・地域の相場)
4軸を書き出す
次の表に書き出します。1つの軸に1〜3行で構いません。
| 軸 | 現時点の自分(事実だけ) | 強み・弱みの仮説 |
|---|---|---|
| 場所 | ||
| 年齢 | ||
| 技術 | ||
| 知識 |
「事実だけ」に、主観(自信がある、ない)は入れません。仮説の欄に書きます。事実と仮説を分けておくと、エージェントや友人に聞いた意見と比べやすくなります(第8章)。
相談先
- ハローワークの職業相談
- 転職エージェントの初回面談(複数社で見立てを比べる。第12章)
- 厚生労働省の職業情報提供サイト job tag(職業ごとの仕事内容・必要なスキル・統計を無料で見られる)
この章で記録しておくこと
- 4軸の表(日付つき)
- 他人から言われた見立て(誰に・いつ・何と言われたか)
この章のチェックリスト
- 市場価値は「自分と企業の組み合わせ」で決まる、という考え方を理解した
- 4軸の表に、事実だけを書いた
- 技術と知識を分けて書いた
- 変えられる軸と変えられない軸を分けて考えた
- 他人から聞いた見立てを、日付つきで記録する場所を決めた
事実の確認表
| 主張 | 出典 | 確認日 |
|---|---|---|
| 職業情報提供サイト job tag は、職業ごとの情報を無料で提供している | 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)https://shigoto.mhlw.go.jp/User (サイトの存在を確認。提供内容の詳細は各自で確かめてください) | 2026-09-30 |
| 技術と知識の区別、企業の穴埋め採用という見方 | 一般的な整理(経験則)。「〜と言われる」として紹介 | 2026-09-30 |
参考にした記事
- (一般的な整理のため、特定の記事は参考にしていない)