第15章履歴書・職務経歴書の書き方|成果の数字化と失敗例
この章の要点
- 履歴書は事実の一覧、職務経歴書は「何をして、どんな成果を出したか」を伝える書類です。転職では後者が選考の中心になります。
- 冒頭の職務要約と、成果の数字化が要点です。応募先ごとに、書く順番と強調点を変えます。
- 事実と違うことは書きません。経歴詐称は、入社後に問題になる場合があります。
履歴書
厚生労働省が、履歴書の様式例を公表しています。この様式例は、性別欄が任意記載欄になり、通勤時間・扶養家族・配偶者などの欄がないなど、応募者の適性・能力に関係のない事項を求めない形になっています。市販の様式を使うときも、記載欄の意図を確かめます。
- 学歴・職歴は、正式名称で年月順に。
- 免許・資格は取得年月と正式名称。
- 志望動機・自己PRの欄は、職務経歴書と内容が合うように書く。
職務経歴書の構成
| 順 | 内容 | 分量の目安 |
|---|---|---|
| 1 | 職務要約:これまでの経歴を3〜5行で | 冒頭 |
| 2 | 活かせる経験・知識・スキル(応募先に合わせる) | 箇条書き3〜5個 |
| 3 | 職務経歴:会社ごと、時期・部署・役割・業務内容・成果 | 1社あたり半ページ前後 |
| 4 | 資格・研修 | 数行 |
| 5 | 自己PR | 数行 |
全体でA4の2枚に収める例が多いと言われます。長い経歴でも、直近と応募先に関係する部分を厚くし、古い経歴は短くします。
職務要約
読み手(採用担当者)は、最初の数行で「会ってみたいか」を決める、と言われます。次の順で書きます。
【職務要約】
○○業界で15年、法人営業を担当。直近5年は、中堅企業向けの新規開拓チームのリーダーとして
5名を率い、年間売上を前年比120%に伸ばしました。顧客の課題整理から提案、契約後の
フォローまで一貫して担当した経験があり、貴社の△△職で、これまでの経験を活かせると考えます。
成果を数字にする
第6章の棚卸しを使い、「場面・行動・結果」で書きます。
| 書き方 | 例 |
|---|---|
| 避けたい | 「営業を担当し、売上に貢献しました」 |
| よい | 「既存顧客30社を担当し、提案の見直しで年間売上を2,000万円から2,600万円に伸ばしました」 |
| 避けたい | 「後輩を指導しました」 |
| よい | 「新人3名の教育を担当し、全員が6か月で単独で商談できる状態にしました」 |
数字が出せないときは、規模(人数・件数・期間・予算)、改善の方向(短縮・削減・増加)で書きます。正確でない数字は、概算と明記します。数字を盛ることはしません。面接で聞かれたときに説明できなくなるためです。
応募先に合わせる
1つの職務経歴書を全社に使い回すより、応募先の求人票の必須条件(第14章)に合わせて、次を調整します。
- 職務要約の最後の一文(応募先で何をしたいか)
- 「活かせる経験」の順番
- 成果の見せ方(応募先が重視する数字を先に)
よくある失敗
- 職務内容が「担当業務の羅列」だけで、成果が見えない
- 専門用語や社内の略語が多く、他社の人に分からない
- 年数だけを強調し、何ができるかが分からない(第5章)
- 誤字・脱字、会社名や日付の誤り
- 転職理由に、前の会社の批判が入る
- 空白期間を説明しない(事実を短く書く:資格の学習、家族の事情など)
- 応募先ごとの調整がない
空白期間・短期離職の書き方
- 空白期間は、事実を短く、隠さずに書く。何をしていたか、今はどう活かすかを一言添える。
- 短期離職は、理由を事実で簡潔に。前向きな理由に言い換えるにしても、嘘は書かない。
AIで職務経歴書を作るプロンプトの例
棚卸しの結果(第6章)ができたら、AIに下書きを作ってもらい、自分で直す方法もあります。次の文の〔 〕を置き換えて使います。
あなたは中途採用の書類選考に詳しい人事担当者です。次の情報から、A4で2枚程度の職務経歴書の下書きを作ってください。
【応募先】〔会社の業種・募集職種・求人票の必須と歓迎の条件〕
【私の情報】〔年齢、職歴(会社・期間・部署・役職)、棚卸しでまとめた業務と成果、資格・ツール〕
構成:
1. 職務要約(3〜5行。応募先の求める経験に合わせて)
2. 活かせる経験・スキル(箇条書き3〜5個)
3. 職務経歴(新しい順。業務と、数字で示した実績)
4. 資格・ツール
5. 自己PR(応募先で何をしたいか、200字程度)
条件:
・実績は「何を・どれだけ・どう変えたか」が分かるように書く
・社内用語は一般的な言葉に言い換える
・前の会社を悪く書かない。退職(転職)理由は書かない
・私が書いていない経験や数字を作らない。足りない情報があれば、下書きの前に質問する
下書きができたら、次のように見直しを頼めます。
この職務経歴書を、〔応募先の業種〕の採用担当者の目で読んでください。
1. 書類選考で伝わりにくい点、長すぎる点、抽象的な表現を指摘してください。
2. 年齢の面で懸念されそうな点(年下の上司、新しいやり方への適応など)があれば、それに答える書き方を提案してください。
3. 直した版を出す前に、事実と違う可能性のある箇所を私に確認してください。
AIに入れてはいけないものは、第6章の注意と同じです。出てきた文は、事実と合っているか、自分の言葉で説明できるかを確かめます。
相談先
- ハローワーク(応募書類の添削)
- 転職エージェント(添削。複数社で比べる)
この章で記録しておくこと
- 応募先ごとに出した職務経歴書の版(ファイル名に日付・企業名)
- 誰に添削してもらい、何を直したか
- 数字の根拠(元の資料・出典)
この章のチェックリスト
- 職務要約を3〜5行で書いた
- 成果を数字(または規模)で書いた
- 応募先の必須条件に合わせて、順番と強調点を変えた
- 誤字・脱字・日付を確かめた
- 転職理由に、前の会社の批判を入れていない
- 出した版を、日付・企業名つきで保存した
- AIを使った場合は、社外秘を入れず、事実を確かめた
事実の確認表
| 主張 | 出典 | 確認日 |
|---|---|---|
| 厚生労働省が履歴書の様式例を公表している(適性・能力に関係のない事項を求めない形) | 厚生労働省が令和3年4月16日に公表した履歴書の様式例(宮城県の案内で確認)https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/koyou/rirekisho.html(検索結果の要約で確認。様式例の原本は各自で確かめてください) | 2026-09-30 |
| 職務経歴書の構成、A4 2枚の目安、数字化の方法 | 一般的な整理(経験則)。「〜と言われる」として紹介 | 2026-09-30 |
参考にした記事
- (一般的な整理のため、特定の記事は参考にしていない)