第16章転職の面接対策と適性検査|退職理由・年齢の壁への答え方
この章の要点
- 面接は、書類の内容を、自分の言葉で、具体例で説明する場です。書類に書いたことを、すべて説明できるようにします。
- 退職理由は、事実を短く、前向きな方向で。前の会社の批判は避けます。
- 応募者の適性・能力に関係のない質問(本籍・家族・思想など)は、公正な採用選考の考え方から、本来聞かれるべきでないとされています。
選考の流れの例
- 書類選考
- 適性検査・筆記(企業による)
- 一次面接(現場の担当者・人事)
- 二次以降の面接(管理職・役員)
- 内定・条件の提示(第18章)
回数と順番は企業で違います。エージェント経由なら、流れと面接官を事前に聞けます。
面接で聞かれること
| 質問 | 見られていること | 準備 |
|---|---|---|
| 自己紹介・職務経歴 | 要点をまとめる力 | 1〜2分で。職務要約から |
| 退職(転職)理由 | 同じ理由で辞めないか、他責でないか | 事実を短く。前向きな方向へ |
| 志望動機 | 応募先を調べているか | 事業・課題と、自分の経験を結ぶ |
| 強み・成果 | 再現できる力か | 数字つきの具体例を2〜3個 |
| 失敗・困難 | 学びと姿勢 | 事実、原因、次に活かした行動 |
| 年収の希望 | 相場感、こだわり | 相場と成果に基づく幅(第18章) |
| 入社後にしたいこと | 適応と貢献 | 入社1か月・3か月・1年のイメージ |
| 逆質問 | 関心と理解 | 下の例 |
退職理由の伝え方
- 事実を短く:「所属する事業が縮小され、○○の経験を活かせる場が減った」。
- 前向きな方向へ:「そこで、○○にもっと関わりたいと考えた」。
- 避けたい:「上司が悪い」「給料が安い」だけの説明。事実であっても、他責の印象が残りやすい。
- 嘘は言いません。面接官は、前の会社に確認することもありえます。
年齢の壁を聞かれたとき
年齢の壁そのものを聞かれることは多くありません。不安を持たれている場合、次のような質問に形を変えて出ます。
- 「年下の上司のもとで働けますか」
- 「新しいツールや進め方に柔軟に対応できますか」
- 「長く働いてもらえますか」
答え方は、事実と具体例で。「年下の上司でも、必要な相手の意見を聞いてきた経験がある」「直近で○○の新しいシステムを導入して、○○を経験した」など。年齢についての言い訳は避け、できることを示します。年齢の見立てについては第5章。
聞かれてはいけない質問
厚生労働省は、公正な採用選考のため、応募者の適性・能力に関係のない事項を、採用の判断に用いないよう求めています。たとえば次のような事項です。
- 本籍・出生地、家族の職業・収入、住居の状況
- 宗教、支持政党、人生観・生活信条など思想に関すること
- 労働組合への加入状況、購読新聞・愛読書
こうした質問をされたときは、答えなくてよい場合があります。応じるかどうかは自分で決め、迷うときは、後でエージェントやハローワークに相談します。記録もしておきます(日時・質問の内容)。
逆質問の例
- 配属予定のチームの人数と、構成(年齢層、経験)
- 入社後1〜3か月で期待されること
- この職種の、直近で入社した人の活躍の例
- 残業の実際の時間と、繁忙期
- 評価の方法と、昇給・賞与の実績
適性検査(SPIなど)
- 多くの企業が、言語(国語)・非言語(数学的な問題)と、性格検査を組み合わせて使う、と言われます。企業により内容と形式(テストセンター・自宅のウェブ)は異なります。
- 準備の目安は、問題集を1冊、2〜3週間、1日30分程度から。出題形式に慣れるのが中心です。
- 性格検査は、自分を偽らず、一貫して答える。
提供会社の公式ページで、出題範囲と受検形式を確かめます。
面接の後
- 当日のうちに、質問の内容・自分の答え・面接官の反応を記録する。
- 礼状は必須ではないが、エージェント経由なら、感想と入社意欲を担当者に伝える。
- 不合格でも、理由を聞き、次に活かす。
AIで面接練習をするプロンプトの例
対話型AIに面接官の役をしてもらうと、一人でも何度でも練習できます。次の文の〔 〕を置き換えて使います。
あなたは〔業種〕の会社の面接官です。〔募集職種〕の中途採用で、〔40〕歳の応募者(私)の一次面接をしてください。
【求人の要点】〔必須・歓迎の条件、仕事内容〕
【私の経歴】〔職務経歴書の要約〕
【転職の理由】〔例:今の会社の事業縮小で、経験を活かせる場が減った〕
進め方:
1. 質問は1つずつ出し、私の答えを待ってから次に進んでください。
2. 全部で8問。経歴、転職の理由、この会社で何ができるか、成功と失敗の経験、年下の上司のもとで働けるか、新しいやり方への慣れ、希望年収、逆質問の順に聞いてください。
3. 私の答えがあいまいなときは、実際の面接官のように深掘りの質問をしてください。
4. 8問が終わったら、質問ごとに「良かった点」「伝わりにくかった点」「こう言い換えるとよい例」を表にしてください。
5. 最後に、この面接官が不安に思いそうな点を3つ挙げてください。
注意:私の経歴にないことを、答えの例に入れないでください。
慣れてきたら、条件を変えて練習します。
今度は、少し厳しい面接官として、同じ面接をもう一度してください。
・「なぜ今の会社に残らないのですか」「この年齢で転職してうまくやれますか」のような答えにくい質問を増やしてください。
・私の答えが1分を超えそうな長さなら、そう指摘してください。
私の転職理由の説明を、30秒で話せる長さに3通り書き直してください。
・事実を短く、今の会社を悪く言わず、応募先でしたいことにつなげる形で。
〔今の説明を貼り付け〕
使うときの注意:AIの面接官は、実際の面接官と同じではありません。質問の練習と、答えの長さ・順序を整えるために使い、最後は人(家族、ハローワーク、エージェントの模擬面接)の前で声に出して練習します。今の会社の社外秘や個人情報は入れません(第6章)。
相談先
- ハローワーク(模擬面接・職業相談)
- 転職エージェント(面接対策)
- 労働局の雇用環境・均等部(室)(公正な採用選考に関する相談)
この章で記録しておくこと
- 面接の日時・面接官・質問・自分の答え・反応
- 聞かれてはいけない質問があった場合は、その内容と日時
- 適性検査の形式・受検日・出題の内容
この章のチェックリスト
- 書類に書いたことを、具体例で説明できる
- 退職理由を、事実を短く前向きに言える
- 志望動機に、応募先の調べた事実を入れた
- 数字つきの強みの例を2〜3個用意した
- 逆質問を3つ用意した
- 面接後に、当日中に記録した
- 適性検査の形式を確かめ、練習した
事実の確認表
| 主張 | 出典 | 確認日 |
|---|---|---|
| 厚生労働省は、応募者の適性・能力に関係のない事項(本籍、家族、思想など)を採用選考で把握しないよう求めている | 厚生労働省 公正な採用選考の特設サイト https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/ (就職差別につながるおそれのある事項は14項目。検索結果の要約で確認。詳細は原本で確かめてください) | 2026-09-30 |
| 適性検査(SPI等)の構成と準備期間、面接の質問の型 | 一般的な整理(経験則)。提供会社の公式ページは未確認。「〜と言われる」として紹介 | 2026-09-30 |
参考にした記事
- (一般的な整理のため、特定の記事は参考にしていない)